正しい1on1MTGのやり方とは?基本プロセスやキーポイント、具体例を徹底解説!

正しい1on1MTGのやり方とは?基本プロセスやキーポイント、具体例を徹底解説!

「人材育成に役立つ1on1ミーティングを行いたい!」

こうした考えから1on1に取り組む企業が増えていますが、実際に取り組むべきプロセスや重要なポイント、テーマの決め方が分からず悩む企業が多いです。会社独自のやり方で行う方法ももちろん良いですが、1on1自体が形骸化し、思ったような効果が生まれないケースも多々あります。

そこで、今回は効果的な1on1ミーティングを行う際のプロセスや進め方、アジェンダ(テーマ内容)の事例やコツなどをご紹介します!

効果的な1on1MTGのための基本プロセスとキーポイント

1on1MTGにおいて大切なこととして、どのようなプロセスがあるか、そして重要となるキーポイントを把握しながら進めるということがあります。そこで、まずは基本となる1on1のプロセスとキーポイントをご紹介します。

プロセス(1)テーマの設定

まずは基本的なプロセスの1つ目として、テーマの設定があります。人材育成や組織力の向上が目的の1on1では、どのようなテーマを選ぶかも重要です。

キーポイントとしては、部下の育成が1on1の主目的ですので、基本は部下に主体性を持ってテーマ決めをしてもらうことです。その際のテーマは「今後磨きたい能力・スキル」「挑戦したい仕事やプロジェクト」「職場に対する提案や改善案」など、部下の主体性を育むテーマが良いでしょう。

また、それ以外ではアイスブレイクとして、信頼関係を築けるような質問、部下の事がよく分かるような項目をテーマにする方法もあります。例えば、下記の様な項目などがあります。

・部下の趣味は何か
・部下の好きな食べ物は何か
・休日はどのように過ごしているか

こういった業務に関係ない質問でも、日頃は分からない部下の思考や、どのような性格であるか把握するために役立ちます。仕事面だけでなく、時折は息抜きにこういったテーマも含めると良いでしょう。

あとは、部下の健康状態や心理状況を知るためのテーマも効果的です。

・最近の仕事量はどうか
・体調や健康面で不安な事、困っていることはないか
・職場での人間関係で悩んでいないか

こうした点も部下の状態を把握する上で重要ですので、テーマに盛り込んでみましょう。

プロセス(2)目標、現状、選択肢の検討

続いて1on1で大切なプロセスとして、部下の目標や現状認識、目標達成までの選択肢の検討があります。ここでもやはり、主体性を持たせるため部下に考えを問うような形で、自ら計画を立ててもらうように1on1を進めると良いでしょう。

また、各内容でのキーポイントとしては下記の様な点があります。

ポイント(1)部下の目標の明確化

まず大事なポイントは、部下の目標を明確化することです。具体的には下記の様な質問で目標を深掘りすると良いでしょう。

・これから成し遂げたいこと
・将来的に取り組みたい業務
・目標達成する上での課題や問題 など

その上で、会社の目標ともすり合わせ、お互いにとって利益のある目標を明確化すれば、部下の育成と共に会社の成長にもなります。

ポイント(2)部下の現状把握

部下の目標を定めたら、その目標とのギャップや現状の把握をしましょう。下記の様な内容に関して、上司・部下で意見を交わし共有すると良いです。

・現在、仕事で行き詰っている事
・自己評価でいうとどのくらいか
・目標達成のために何が必要か

こうした部下の現状も把握し共有しておけば、上司も目標達成のためのアドバイスや支援をしやすいため、人材育成に繋がります。また、日々変わる状況を把握するためにも、記録はしておくと良いでしょう。

ポイント(3)目標達成のための選択肢を検討

最後のポイントは、部下の目標達成のための選択肢を検討することです。ここでも目標達成のためには具体的にどのような方法があるか、主体性を育むためまずは部下に検討してもらうのがおすすめです。

この際、重要な点としては複数の選択肢を出しておくことです。その方が、どれか一つを選ぶ際に「自分で選び決めた」という意識が残り、途中で挫折しにくい効果が生まれるためです。

そして話を聞いた上で、上司は自らの体験やこれまでに学んだ知識から、部下の現状と目標までのギャップを埋めるために必要なアドバイスをします。

プロセス(3)行動計画の策定

3つめの1on1のプロセスは行動計画の策定です。目標達成のために考えた選択肢から、実際に取り組むことを決めた上で、期間や方法をより具体化し行動計画に落とし込んでいきます。

ポイントとしては、下記の様な質問で計画をより具体化することです。

・どのような方法で誰と協力して行うのか?
・いつまでに何をどこまでやり遂げるのか?
・どの選択肢が最も効果的か?

こうした点を具体化していくことで、部下に決断を促して意思決定させます。大事なのは部下自身に決断をさせて行動させることです。あとは、計画の進捗に関して上司が把握できるよう、定期的に目標までの達成具合をチェックできる日程も決めておきましょう。

そして軌道修正のための時間も確保することで、より目標達成が現実化します。それ以外には、行動計画を行うにあたって上司にどんなサポートをして欲しいか、部下に事前に確認し決めておくことも大切です。

そうすれば、部下も安心して業務に取り組むことが可能となりますので、より高いパフォーマンスを出すことができます。また、こうしたサポートは部下からの信頼向上に繋がる要素ですので、目標達成のためのサポートについても具体化しておくと良いでしょう。

1on1を行う際の具体的なやり方について

1on1において必要となるプロセスやキーポイントの解説をしました。では、次に1on1を進める具体的なやり方についても見ていきましょう。進め方は下記の様な流れで行うのが主流となっています。

進め方(1)チェックイン

まずはチェックイン(本題前のアイスブレイク)で、部下が話しやすくなるように軽い雑談などから開始します。特に信頼関係がまだできていない上司・部下の場合にはこうした時間も必要です。

話題としては仕事以外のプライベートな事でも良いでしょう。部下の最近の気分や調子、上司や同僚の話題などでも構いません。ただし、あまり長く話過ぎると1on1の目的が達成できませんので、4~5分程度の短い時間で行うようにしましょう。

進め方(2)アジェンダに沿って質問をする

続いてはアジェンダ(話すテーマ)に沿って質問や会話を行っていきます。その際、上司が気をつけるべき点としては下記の様なことがあります。

・基本的には上司が聞き役となり、部下から話を引き出す
・「はい」「いいえ」で答えが終わらない、オープンクエスチョンを心掛ける
・アジェンダを決める時は部下に任せきりにしない
・部下が話しやすいように「傾聴」を意識する
・頭ごなしに否定はせず、部下の話を受け止める
・事前にアジェンダや質問内容を決めておく

スタンスとしては上記の様に、部下が話しやすくなるよう意識して、信頼関係を築きつつ課題解決や目標達成の具体策を話し合いましょう。

進め方(3)課題の解決方法を考える

対話を交わして部下の現在の状況や課題が分かりましたら、次にその課題の解決策や決定した目標の達成方法を検討していきます。ここで大切なのは、やはり部下に主体性を持って考えてもらうことです。

そのためには、最初から上司が答えを教えるような「ティーチング」ではなく、部下の自発的なひらめきや行動を促す「コーチング」が必要となります。ただし、部下の経験やスキルが浅い場合には、「コーチング」だと効果が薄いため、その場合には「ティーチング」の方が良いでしょう。

進め方(4)次回の1on1までに行う行動目標を決める

課題を解決する為に、次回の1on1までに何をすべきかを決定します。その際の行動目標に関しても、基本的には部下が主体となって決めていきます。

こうして部下が課題解決や目標達成の方法を自ら複数考え、選択肢から自ら方向性を決定、行動していくことで納得感が得られます。そうすることで、目標達成までの行動も高いモチベーションのまま維持できるのです。

あとは具体的な期間を定めて取り組むことも重要です。そうすれば、現実的に達成できる目標なのかも検討しながら、自分の中で無理のない計画を立てる訓練をすることができます。

進め方(5)次の1on1で結果を共有する

最後に、次回の1on1で目標までの進捗状況や取り組んだ結果を共有します。その際には前回1on1で話した内容やアジェンダを記録した資料、1on1ミーティングシートなどを活用すると進捗を確認しやすいでしょう。

そして、進捗が良くなければ計画に無理がないか検討し、必要に応じ上司がアドバイスやフィードバックを行います。なお、部下にダメ出しなどでプレッシャーを与えないよう注意しましょう。

また、進捗の確認は目標によって変えるということも重要です。例えば締め切りが絶対である目標は、こまめに進捗を確認するようにするなどして、臨機応変にチェックの頻度を変えることが大切です。

実際によくある1on1のアジェンダの事例

それでは、実際に1on1で多いアジェンダについてご紹介します。厳密にルールや決まりがあるわけではありませんので、部下の状況や会社の目標を踏まえ、適宜内容は変えていくと良いでしょう。

<業務やキャリアに関してのアジェンダ>
・前回の1on1から目標達成に向けての進捗状況
・次回のミーティングまでの業務目標
・将来なりたい姿や挑戦したい業務など

<プライベートや価値観に関するアジェンダ>
・最近楽しかったことや辛かったこと
・自分の趣味や休日の過ごし方について
・大切にしていることやこだわりなど

<健康やモチベーションに関するアジェンダ>
・仕事において不安な事や悩みなどはないか
・職場での人間関係や家庭環境は良好か
・健康面で不安な点や大変なことはないか

効果的な1on1を実施するためのコツとは?

それでは最後に、効果的な1on1を実施するためのコツについても見ていきます。これまでご紹介した1on1のプロセスや進め方、アジェンダの例などと一緒に、ぜひ下記の様な点も意識して取り組んでみて下さい。

1on1のコツ(1)部下がメインであるという意識

効果的な1on1を進めるコツの一つ目は、「部下がメインである」という意識です。1on1の大きな目的として部下の成長を促し、人材育成や組織力の向上があります。

そのため、テーマ決定や対話の際にも、必ず部下の成長に関わるアジェンダや、部下が話しやすい環境を作り、部下がより主体的に参加できる1on1にしましょう。

そして何より、日頃から部下と接して信頼関係を構築しておくことが、1on1成功の大きなカギであると意識しておくことが大事です。

1on1のコツ(2)1on1の内容を記録する

さらに、大事なコツの2つ目としては1on1の記録を継続して記録しておくことです。1on1の記録で、前回から部下はどのように変わったかを確認し、さらに部下の性格をより深く理解してアドバイスに役立てるのがコツです。

また、部下を多く抱える上司にとっては、1人1人の部下と話した内容やアドバイスをしっかりとまとめておくことで、「一貫性のある」フォローやアドバイスができます。

逆に、記録がないと部下へのアドバイスが毎回変わり、一貫性も失われるため、非効率なだけでなく信頼性を損ないますので注意しましょう。

1on1のコツ(3)部下のスキルや能力に合わせ対応を変える

最後のコツは部下のスキルや能力次第で1on1の対応を変えることです。1on1ではただ教えるだけの「ティーチング」より、自ら考え答えを導き出させる「コーチング」を基本とすることが大事です。

しかし、新入社員の場合には、まだ知識や経験が乏しいため、主体的に考えるためのノウハウや業務経験が足りない状態です。そのため、最初は上司から業務の知識や経験をアドバイスするのが有効です。

このように部下の仕事での業務経験やスキル、能力を把握しながら、その都度1on1でのスタンスを変えていくのが良いでしょう。そして、部下も自分が上司に何をして欲しいのか、明確に自分の考えや想いを伝えることで、対話内容も深まり効果的な1on1になります。

1on1は正しいプロセスで要点を押さえながら取り組みましょう!

以上、効果的な1on1を行う上で必要なプロセスや進め方、アジェンダの事例やコツについてもご紹介しました。1on1で目に見える実績を出すためには時間や手間も掛かりますが、しっかりとルールを構築すれば、人材育成や組織力の拡大の原動力になります。

プロセスをしっかりと把握し、重要な点を押さえ取り組むことが大事ですので、本記事を参考に、ぜひ理想的な人材の育成にトライしてみましょう!

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