1on1のテーマとは?具体的な質問例を解説

1on1のテーマとは?具体的な質問例を解説

1on1ミーティングで部下を前にしたときに、何を話せばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。1on1で良い効果を得るためには、事前準備や信頼関係の構築、適切な質問が必要です。

そこでこの記事では、1on1のテーマを成功させるための効果的な上司の質問を現場の事例を交えて解説します。それぞれのテーマに沿った効果的な質問例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1on1で信頼関係を構築する質問例

上司と部下の信頼関係は、日頃のコミュニケーションや、適切なサポートの積み重ねによって構築されます。ただ定期的な1on1を実施するだけでは、上司と部下の信頼関係は構築できません。

1on1は、信頼関係を築く場ではなく、日常で築いた信頼関係をさらに深める場です。以下の質問例を参考にして信頼関係につながる質問を意識しましょう。

・好きな食べものはなに?
・この前の休日〇〇に行くって聞いたけどどうだった?
・あの資料はすごくよかったし参考になった。どんな勉強をしたの?
・前回のミーティングで頼まれたサポート、あれで足りていたかな?
・私(上司)が君に約束していて忘れていることはない?

1on1で心身の状態を確認する質問例

心身の状態は、仕事のパフォーマンスだけでなく、放置すると休職や離職につながります。上司は日ごろから時間外数値などの定量的データや、定性的な顔色や言動を観察しましょう。

1on1ミーティングで上司がやるべき行動は部下の気持ちに寄り添うことです。以下の質問例を参考に、心身状態を確認していきましょう。

・最近なにか悩んでいることがありますか?
・残業することがあるけど、オーバーワークではないかな?
・最近は出勤時刻で就業ぎりぎりが多いけど体調はどう?
・仕事の進捗が遅れていますが、ストレスになっていない?
・この前の仕事のミスから気持ちを切り替えられた?

1on1で部下の意欲を引き出す質問例

部下が意欲を高める瞬間は、自覚している得意な分野について自由に述べ、上司が聴いてくれていると実感したときです。そのために、上司は部下の強みや成功事例を把握し、それらを発展させた質問を準備しましょう。

質問に対する回答が、期待するものではない場合もありますが、否定せずに最後まで傾聴する意識が大切です。以下の質問例を参考に、部下の意欲を引き出しましょう。

・プロジェクトについて、ぜひ君のアイデアを聞かせてくれないかな?
・ぜひ君ならどうするか意見を聞かせてくれませんか?
・普段の業務で不安に感じていることはある?
・あなたの営業先での成功体験を教えてくれませんか?
・〇〇については全面的に君に任せたい。必要なサポートを教えてくれませんか?

1on1で業務や組織課題を引き出す質問例

緊急性がある課題・問題は、1on1を待たずに日常の中で話し合うことが必要です。そのため1on1では、緊急ではないが重要である課題について話し合う絶好の機会になります。

現場や部下が感じている業務や組織課題を把握することは重要ですが、このテーマは漠然とした質問になることが多いため、ある程度の信頼関係を構築できてから実施することがおすすめです。

以下の質問例を参考に、業務や組織の課題を引き出していきましょう。

・業務内容で何か変えたいと思っていることはありますか?
・チームについて改善できると思うことはある?
・チームワークをよくするためのアイデアはある?
・このまま放っておくと問題になると思う課題を教えてください。
・来月の業務で、何か気になることはありますか?

1on1で目標設定や評価に関する質問例

1on1では、会社や部門の目標設定と評価が部下にどのように伝わっているかを確認することも重要です。目標の理解度だけでなく納得度を確認する質問を意識しましょう。

上司と部下、どちらも納得できる目標と評価を設定することで、企業全体としての業績向上を目指せます。以下の質問例を参考に、目標設定と評価に関する部下の意見を確認しましょう。

・今のあなたの目標をもう一度言葉で説明してくれますか?
・立てた目標に対して、現時点での進捗を教えてくれる?
・目標を達成するために必要なサポートを教えてくれますか?
・目標に対して、これまでのプロセスを自己評価してみて?
・この目標を達成したら、次にチャレンジしたい目標を教えて下さい。

1on1でキャリア支援に関する質問例

部下がビジョンを持っているかいないかの見極めからはじめましょう。主な目的は、部下の考えていることや、これからやりたいことを共有した上で、上司としてのアドバイスや支援を行うことです。

異動の希望などを引き出すだけでなく、考えるきっかけをつくる質問を意識してみてください。以下の質問例を参考に、キャリアを考えるきっかけと準備を整えましょう。

・将来、どんなキャリアビジョンを考えていますか?
・今後のキャリアを積んでいく上で、この会社で得たい経験やスキルは?
・あなたのキャリアビジョンへの将来のストーリーを教えて下さい。
・仕事を通じてやりがいを感じる時はどんなとき?
・すごく成果を出していますが、このまま深めていきたい?違う経験もしたい?

話すことがないと思った時

定期的に1on1ミーティングで話していると、お互い特にテーマがない場合があります。この場合は、自分はどれだけ部下のことを理解できているのかを振り返る機会にしましょう。

理解できていない場合、あなたが見てくれないことに困っている場合があるため、1on1で信頼を獲得することは困難です。以下の質問例を参考に、準備しておきましょう。

・人生で達成したい夢や目標はありますか?
・どうすれば1on1の機会があなたの仕事やキャリア形成につながるかな?
・1on1の実施で期待することを教えて下さい。
・どのようなテーマで話をしたいですか?
・1on1を不安に思うことはありますか?
・あなたの仕事に関係する私の経験を話してもいいですか?

1on1質問時の注意点

ここからは、1on1で質問する際の注意点を解説します。1on1で失敗しないためには、部下の成長促進と部下の成長による組織力強化が目的だと言うことを忘れずに実施することが大切です。

傾聴

まずは、部下の話を遮らずに最後まで聞くことを意味する傾聴を意識しましょう。傾聴せずに、上司が自分の話ばかりしてしまうと、部下と適切な信頼関係を構築することは困難です。

1on1とは、部下の本音や困っていることを引き出して、今後の問題解決や成長につなげることが目的だと意識しましょう。具体的には、部下が話をしている途中に意見を言ったり、否定したりすることは避けることをおすすめします。また、頷きなど傾聴の姿勢を示すことも大切です。

質問ばかりでなく自己開示も行う

続いて、上司からの質問ばかりではなく自分の気持ちや情報を開示することをおすすめします。なぜなら、よく知らない上司から繰り返し質問をされ続けることは、部下に圧迫感を与えてしまうからです。

1on1をはじめたばかりのときは、特に自己開示を意識して行い、信頼関係を構築することをおすすめします。具体的には、自分の過去の失敗や今悩んでいること、困っていることなどを正直に話すことで少しずつ信頼してもらえるでしょう。

答えを与えるのでなく、導き引き出す

1on1ミーティングは、その場で答えを出したり、与えたりすることが目的ではなく部下の気持ちや考えていることを確認することが目的です。そのため、質問や会話の中から自分自身できっかけや答えを見つけることが理想だと理解しておきましょう。

答えを導き出すための質問は一つではないため、答えを見つけるために上司も部下と一緒に成長する意識も大切です。場合によっては、次回までの宿題にしても良いでしょう。

まとめ

この記事では、1on1ミーティングで信頼関係を構築するための具体的な質問例や注意点を解説してきました。1on1で失敗する主な原因は、1on1の機会だけで信頼関係を築こうとすることが原因です。

紹介した質問例をもとに、部下との信頼関係を振り返る機会にしましょう。それが本当の意味で、1on1がマネジメントサイクルとして定着することにつながります。

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