目標設定のやり方!必要な項目や目標の種類、考え方や具体例を紹介

目標設定のやり方!必要な項目や目標の種類、考え方や具体例を紹介

部下の人材育成を担う上司や管理職、人事担当者の中には「新しく目標設定を導入したいけれど、どのように行えば良いのか分からない」「目標設定についての効果的な考え方や決め方を知らない」といった悩みを抱える人も多くいます。

明確な目標設定を行うことが、日々の業務を効率良く遂行させるためのポイントです。

そこでこの記事では、企業における業務の目標設定に必要な項目や目標の種類、業種ごとの目標設定の具体例などを解説します。

 

目標設定時に必要な項目

目標を設定する時には、ただ漠然と決めるのではなく「目標」「期日」「アクション」「評価基準」の4つに分けて考えることが必要です。

目標を単なるお題目にせず、うやむやにさせないために、これら4つをしっかりと組み合わせることで、より具体的なものとなります。

 

目標

「目標」は、「業務で何を達成するべきか」を考えます。このときには、売上額や顧客数など数値で計れる具体的な目標にすることが重要です。また、目標は誰かに考えてもらうのではなく、自分で決めることが大切です。

もちろん上司に相談することは大切ですが、自分で決めることによって責任が生まれ、業務を遂行するモチベーションにつながります。

 

期日

目標設定に欠かせないのが、いつまでに目標を達成するかという「期日」です。期日を設定する際には、四半期単位など、時間軸を短くすることがポイントとなります。細かな期間で目標を設定することで、日々の業務で「確実に前進している達成感」を持つことができます。

また、目標が未達成の場合にもすぐに気が付き、軌道修正しやすいことも特徴です。

 

アクション

目標設定で「目標達成のために何を行うのか」を決めるのが「アクション」です。アクションも具体的に設定し、誰が見ても同じ行動をイメージできることが重要です。

例えば、営業職であれば「月に10件訪問する」「毎日アポ取り電話を5件行う」など、具体的な数値を入れ込むことで、日々の業務で何をすべきかが明確となります。

 

評価基準

目標を考える際には、「評価基準」もあわせて設定することが重要です。評価基準をはっきりさせておくことで、社員の公平な評価ができるほか、上司と部下の間に信頼感が生まれ、その後の仕事がより遂行しやすくなります。

逆に、評価基準があいまいだと部下が「なぜこの評価を受けたのか」が分からなくなり、モチベーション低下にもつながってしまうでしょう。

 

目標の種類

「目標」と一言でいっても、その内容によって大きく「定量目標」と「定性目標」の2種類に分けられます。この2つの違いをしっかりと理解しておくことで、社員がより意欲的に働くための目標を設定することが可能です。

 

定量目標

定量目標とは、数量や数値で表す目標のことです。例えば、「今期の売上を前年比15%増加させる」「新規顧客を毎月5件獲得する」「サービスのユーザー数を来月までに3,000人から5,000人に増やす」といったものが挙げられます。

定量目標を決めることのメリットは、到達したい成果までのプロセスと結果を具体的な数値で見ることで、客観的に達成度を評価することができる点です。

また、誰が見ても目標が達成できたのか、できなかったのかが明確で、公平な評価ができます。

 

定性目標

定性目標とは、数値化できない目標のことです。目指すべき理想の状態を表すもので、行動に着目していることから、「行動目標」と呼ばれる場合もあります。

例えば、「営業先でのアイスブレイクを成功させる」「顧客と良いパートナー関係を築く」「丁寧な仕事を心がける」といったものが挙げられます。

定性目標を設定することのメリットは、業務の方向性が明らかになる点です。自分がどうありたいかを決める目標のため、社員のモチベーションが上がります。

 

目標設定における考え方「SMARTの法則」

効果的な目標設定に役立つ考え方のひとつに、「SMARTの法則」があります。「SMARTの法則」の法則を使って目標設定することで、社員がエンゲージメントを高めながら業務に取り組むことができます。SMARTの頭文字となっているそれぞれの考え方を見ていきましょう。

 

Specific:具体的かどうか

Specificとは、「具体的な」という意味で、目標が具体的かどうかという基準です。目標は、誰が見ても同じ認識を持てるように具体的で明確な言葉で設定します。
例えば、「来期までに新規顧客を20件獲得する」「新商品で3か月後までに1,000万円の売上を達成する」などが良い例です。

一方、悪い例は「新商品をヒットさせる」といった具体的でない目標です。

 

Measurable:数値で表しているか

Measurableとは、「測定可能な」という意味で、目標が数値で表されているかどうかという基準です。目標を立てた本人にも、それを評価する上司にも公平に判断できるように設定します。
例えば、「部下との信頼関係を築くため週に1回30分、一対一で面談の場を設ける」などが良い例です。

一方、悪い例には「部下とコミュニケーションを取る」といった、達成が分かりにくい目標などがあります。

 

Achievable:実現可能かどうか

Achievableとは、「実現可能な」という意味で、達成できる目標を設定しているかどうかという基準を指します。モチベーション維持のため、努力すれば達成できる目標を定めることが大切です。例えば、「ひとつ上のレベルの簿記に合格する」などが良い例です。

一方で悪い例は、「英語が苦手にもかかわらずTOEICで満点を取る」などの達成が難しい目標だと言えます。

 

Relevant:関連性はあるか

Relevantとは、「関連した」という意味で、目標が「定性目標」で決めた自分のありたい姿や、チームや会社の目標に関連する内容かどうかという基準です。例えば、「資格取得でボーナスが出るため、簿記の合格を目指す」などが良い例です。

一方、悪い例は「趣味の資格を取る」といった、業務や会社に関係のない目標です。目標を達成することで周囲にどのようなメリットがあるのかを考えてみましょう。

 

Time-bound:期限が明確か

Time-boundとは、「期限を定めた」という意味で、明確な期限を持った目標かどうかという基準です。期限をはっきりさせることで業務への集中力が上がり、目標達成に近づきます。例えば、「月末までに新商品のアイデアを10個出す」などが良い例です。

一方、悪い例には「売上を前年比30%増やす」といった、明確な期限がない目標などがあります。

 

個人目標設定時にはチームや組織の目標を確認

個人の目標を設定する際には、チームや組織全体の目標を確認しておくことが大切だと言えます。なぜなら、個人目標が事業や組織の利益につながっている必要があるためです。
今、会社はどのような目標を定めているのか、そのためにチームは何を達成すべきなのかをチェックしてから自分の目標に落とし込みましょう。

また、ほかの社員やチームメンバーとどのように協力すれば目標を達成できるのか、という視点も大切です。もし、社員一人ひとりがバラバラの目標を設定していると、チームとしてのまとまりがなくなり、企業の業績悪化につながりかねません。

 

業種別目標設定の具体例

最後に、営業職や事務職など、主な業種別の目標設定の具体例をご紹介します。それぞれの例は、「目標設定時に必要な項目」の部分で解説した通り、「目標」「期日」「アクション」「評価基準」を含んでいるため、ぜひ参考にしてください。

 

営業職

営業職は、業務に数値が関連していることも多く、最も定量目標を定めやすい職種と言えます。例えば、以下のような目標が考えられます。

目標:期日までに新規顧客を80件獲得し、2,000万円の売上を達成する
期日:年度末まで(4~6月20件、7~9月30件、10~12月20件、1~3月10件)
アクション:新規顧客の獲得のために、毎日アポ取り電話を行う
評価基準:新規顧客の売上で2,000万円を達成する

 

事務職

事務職は定量的な目標を設定することが難しい職種です。作業効率をより良くするためのツールの導入など、課題解決を目標にしてみましょう。

目標:事務作業にかかる総工数を月間80時間減らす
期日:四半期(3か月)
アクション:業務の効率化が図れる管理ツールを導入する
評価基準:管理ツールを使用し、毎月の社員の工数を20%ずつ減らす

 

企画職

企画職は、営業職と密接に結びついた職種です。そのため、売上や営業成績と関連する目標を設定するとモチベーションも維持できるでしょう。

目標:期日までに新商品を2つ開発する
期日:1年
アクション:既存の商品の販売状況を分析し、市場調査とヒアリングを行う
評価基準:新商品を販売し、営業部門の売上目標が達成される

 

技術職

技術職は、納期・クオリティの高さなど自分に求められていることを意識して目標を設定します。業務に活かせる資格取得を目指すのも良いでしょう。

目標:応用情報処理試験に合格する
期日:〇年〇月〇日(試験結果の発表日)
アクション:社内の勉強会に参加する
評価基準:試験に合格したかどうか

 

まとめ

業務の目標を設定する際に必要な項目、目標の種類のほか、目標設定における効果的な考え方である「SMARTの法則」までを解説しました。

設定する目標は、できるだけ具体的なものにしないと結果が出ないだけでなく、社員の意欲も削いでしまいます。
そのため、企業としての方針を定めるだけではなく、社員にもしっかりと浸透させる必要があります。

目標設定についてお悩みの上司や管理職の方は、この記事を参考に目標設定の方針を考えてみてください。

 

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