業務分析とは?目的や必要性、分析を進める手順を解説

業務分析とは?目的や必要性、分析を進める手順を解説

企業では営業・販売活動、顧客対応、経営分析、マーケティングなど日々様々な業務が行われています。それぞれ業務の特徴や遂行の仕方は異なりますが、より成果を高めるには『業務分析』による課題の発見と改善が欠かせません。

そこで今回は、企業が行うべき業務分析の内容とその目的、具体的な進め方についても解説していきます。

 

企業活動に必須である「業務分析」とは?

それでは、まずは業務分析の意味について確認しましょう。業務分析とは「日常的な業務の見直しを行い、課題を特定する」ことです。

様々な経済活動や複雑化する業務があふれる現代において、企業が成果をあげるためには業務プロセスの分析や見直しが必須です。

また、変化の激しい市場環境に対応するためにも、定期的な業務分析や効率化で現状の課題を改善することが必要でしょう。

 

業務分析の目的と期待される効果

続いて業務分析の目的に関してですが、大きな目的として前述したような現状の課題認識や改善、そして効率化や成果の拡大目的などがあります。

さらに、分析の過程で業務を細かく切り分け明確に把握することにより、業務の属人化も防止することが可能となります。

それ以外にも必要でない業務の洗い出しでコスト削減を行う、業務プロセスの詳細な把握でミスを防ぎ、リスクマネジメントを行うことも可能です。

 

業務分析の必要性

業務分析は、一見すると業務に大きな支障やトラブルが発生していなければ必要ないように思えます。しかしながら、現代の変化が激しい市場環境や経済環境においては、変化するニーズに対応することや、複雑化するルールに対応することも求められます。

さらに、効率化も行わないと他社との競争において不利になり、経営も立ち行かなくなる可能性もあります。

こうした変化するニーズや複雑化するルールへの対応、そして効率化のため、大きな問題がなくとも既存業務を分析・改善し、アップデートすることが必要なのです。

 

業務分析を進める4つの手順を解説!

業務分析の目的や必要性について把握できましたら、次は業務分析の具体的な手順についても確認しましょう。業務分析には主に下記の様な手順があります。

 

手順(1) 業務分析の目的を明確化

まず業務分析では目的を明確化することが大切です。最終的な目的を決めておけば、どのような項目を調べる必要があるのか逆算して把握することが可能になるためです。業務分析の目的には、生産性を上げるための効率化やコスト削減などがあります。

また、労働環境の改善・人や経営資源の配分見直しといった目的もあります。

 

手順(2) 業務分析のための情報収集プランの策定と実施

続いてのプロセスは、分析のための情報収集プランを策定し実施することです。例えばコスト削減の目的で業務分析を行うということであれば、工程ごとの作業人数、単価、省略できる作業の調査などが必要です。外注化できる工程があれば、それも抽出しておくと良いでしょう。

なお、情報収集時にはどのようにデータ管理するかも決めておきましょう。その上で誰がどのデータを収集しチェックするかも確認します。

 

手順(3) フレームワークを活用して分析

収集したデータを基にフレームワークを活用して分析を行います。業務分析においては「BPMN」「バリューチェーン分析」「MECE」などのフレームワークを使うのも良いでしょう。

ちなみに業務分析や業務改善は、経営目的や経営目標に基づいて行うことも大切です。

 

手順(4) アウトプットとしてまとめる

分析が終わったらデータをまとめ、提案書や業務改善案などのように資料作成を行います。まとめ方としては上司だけでなく、現場での作業員や同僚、チームメンバーなど誰から見ても分かりやすいようにすることが大切です。

マニュアル化して改善業務を周知させ、業務の属人化を防ぐことも効果的です。

 

業務分析を進めるための情報収集方法とは?

業務分析を行うためには情報収集が必要であると説明しましたが、実際にはどのように情報を集めれば良いのでしょうか?ここでは、業務分析に必要となる情報内容や情報収集について説明します。

主な情報収集の方法には下記の様なものがあります。

 

方法(1) 分担表の作成

情報収集の方法として分担表を作成する方法があります。現在の各業務における担当者や人数などを分担表にして可視化することで、工程ごと掛かっているコストや時間などの情報が把握できます。

また、分担表を作成しておくことで、やるべき業務やタスクの漏れを防止でき、社員自身の名前を記載することで責任感を高める効果も期待できます。

 

方法(2) フロー図の作成

さらに業務におけるフローチャート図の作成も情報収集に効果的です。既存の業務が現在どのような流れで行われているのか把握でき、各プロセスでの担当者やタスクも記載すれば業務の全体像もイメージできます。

業務改善前のフロー図と、改善後の理想のフロー図をそれぞれ作成し、効果がどのくらい見込めるか可視化するのも良いでしょう。

 

方法(3) 業務体系表、業務内容表の作成

業務分析での情報収集として業務体系表や内容表の作成もおすすめです。既存の業務遂行がどのような作業で成り立っているか把握でき、体系的に洗い出すことで業務の流れも確認できます。

こちらも業務の可視化や細分化ができますので、漏れなく作業やタスクをこなすためにも有効な手法です。

 

方法(4) 業務量の調査

業務量の調査も業務分析では重要な情報収集の方法の一つです。実際の業務や各作業でどの程度時間が掛かっているか把握すれば、非効率な部分や改善すべき課題などを発見することができます。

なお、業務量の測定には実測法、実績記入法、推定比率法といった様々な方法がありますので、職種や測定したい内容によって選びましょう。

 

業務分析に使えるフレームワークの解説

収集したデータを業務分析するためには、フレームワークの活用が効果的です。そこで、業務分析に使えるフレームワークの種類もご紹介します。自社内で独自に行うことも可能ですが、難しければ外注も検討しましょう。

主なフレームワークとしては下記の様なものがあります。

 

BPMN

BPMNは「Business Process Model and Notation」の略称です。ビジネスプロセスの表記法であり、業務プロセスの手順をフローチャートによってモデル化し、視覚的に分かりやすい図で表現します。図解で表現されているため手順を分かりやすく理解することが可能です。

 

バリューチェーン分析

日本語で「価値連鎖」と言われるこの分析は、原材料調達から顧客に商品を届けるまでを複数のプロセスに分類し分析します。そして各プロセスにおいての付加価値に着目し、自社の業務を見直します。

バリューチェーン分析を行うと自社の強みや、他社と比べた時の優位性、各プロセスにおけるコストや付加価値が分かりやすくなるでしょう。

 

MECE(ミーシー)

MECEはMutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)の頭文字を取ったフレームワークです。ビジネスにおける課題や問題に関して、ダブりや漏れがないように切り分けて考えるロジカルシンキングの基本概念です。

営業分析やマーケティングにも活用できますので試してみて下さい。

 

業務分析を行うためにはプロセスの可視化とデータ収集が重要!

以上、業務分析の内容や具体的な取り組み方を中心に解説しました。重要なポイントはいくつもありましたが、大切なことはプロセスをしっかりと可視化することにより現状を把握し、その上で正確なデータを収集することです。

そのためには明確な目的をもって、全社的に協力体制を築き取り組む必要があります。ぜひ本記事を参考にして、社内で業務分析を行ってみて下さい!

 

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