人材育成の目的とは？社員の状況による違いや成功のためのポイントも解説！
人材育成は企業の長期的な成長のために重要です。しかしながら、育成の重要性や目的の理解が浅いと、「何のために行うのか」が分からなくなります。そうなると、育成を行うモチベーションも維持できません。
そこで、今回は人材育成の目的や社員ごとに異なる育成の目的、達成するために重要なポイントについても確認します。
企業にとって最重要？人材育成を行う目的とは？
まずは人材育成を行う目的について解説します。育成の目的や重要性の理解は、継続的に育成を行う上で非常に重要です。具体的には下記の様な目的がありますので、ぜひ組織内で共有し全社員一丸となって取り組みましょう。
目的（１）生産性の向上
人材育成を行う目的として、生産性の向上が挙げられます。業務に関しての理解や知識を深めることで、１人ひとりの生産性が高まれば、会社としても生産性が上がり業績の向上が期待できます。
特に新入社員に関しては仕事の進め方も慣れていないため、人材育成で業務効率を向上させ、生産性を高めましょう。
目的（２）会社の成長
会社の成長にとっても人材育成は重要です。優秀な社員や経験豊富な社員がいれば、企業の売上は伸びますが、そのような社員を上手く採用できるとは限りません。
また、既に優秀な社員がいても退職するリスクがあります。会社が継続的に成長するためにも、社内での人材育成に取り組みましょう。
目的（３）離職を抑える
人材育成は社員の離職を抑える上でも効果があります。現在では離職をする理由として、「このまま今の会社で働いても成長が見込めない」といった理由もあるためです。
こうした理由での離職を防ぐためにも、会社側で人材育成をサポートし、適正に評価を行う環境を整備することが大切です。
目的（４）リーダーの育成
会社ではリーダーがチームをまとめ、成果を出すことで成長に繋がりますが、優秀なリーダーは最初からいるわけではありません。そこで人材育成によりリーダーを育成する取り組みも必要なのです。
リーダーにとって必要な資質には下記の様なものがあります。研修や学ぶ機会を設けて成長をサポートしましょう。
・課題発見能力
・分析力
・コミュニケーションスキル
・決断力
・スケジュール管理能力
目的（５）組織力の強化
人材育成には個人のスキルを伸ばす目的もありますが、育成でコミュニケーション能力も養えば、チームとしての成果も上がります。複数人で取り組むことが多い事業であれば、なおさらチームワークは重要です。チームとしての連携を高められる研修も行いましょう。
目的（６）学習意欲の醸成
人材育成には社員に学習意欲を持ってもらう目的もあります。仕事や業務に関しては、上司から部下に教える必要もありますが、最も成長効率が良いのは部下が主体的に学び成長することです。
企業の成長にとっても自主性のある社員が多く在籍していれば、業績向上も早くなります。研修で学習意欲を養うようにしましょう。
目的（７）教育スキルの獲得
人材育成では部下の育成だけが目的ではなく、仕事を教える上司側も教育スキルを獲得するために研修を行います。育成する側に十分なスキルがないと、部下も能力を高めることができません。
そうなると人材育成で期待された効果が出ないことになります。人材育成には育成側の成長を促す目的もあることは覚えておきましょう。
社員の状況の違いによる人材育成の目的について
人材育成の目的について説明しましたが、実は社員の状況別でも人材育成の目的は変わります。そこで、今度は社員の役職やキャリアごとに育成を行う目的について解説していきます。
新入社員の育成の場合
人材育成の対象者が新入社員の場合には、下記の様な目的をもって人材育成を行うと良いでしょう。
・基本的なビジネスマナーの取得
・コンプライアンスや情報管理の方法
・企業や職場、商品や社内ルールなどの理解
・コミュニケーションスキルや報連相の仕方の学習
・その他業務で必要な専門知識の習得
基本的に新入社員は社会人としてスキルがないため、上記の様な基本のビジネススキルから学ぶことが大切です。
若手社員・中堅社員の育成の場合
若手社員や中堅社員の育成においては、下記の様な目的で人材育成を行うと良いでしょう。
・若手社員や新入社員の育成スキルの習得
・コミュニケーションスキルや調整力の向上
・リーダーシップや指示能力の習得
・複数の業務をこなせる柔軟性や対応力を身につける
・部下の悩みや課題を知りフォローするスキルの取得
若手や中堅社員は部下に仕事を教えることも多いため、指示能力やコミュニケーションスキルを養うのが効果的です。
また、幅広い業務を行うための柔軟性や、社内の様々な人との調整力、チームを率いるためのリーダーシップも身につけると良いでしょう。
リーダー候補の育成の場合
リーダー候補の育成においては、下記の様な目的で人材育成を行うのがおすすめです。
・チームを率いるリーダーシップの形成
・経営や財務に関する知識の習得
・部下の管理スキルやマネジメント能力の向上
・課題発見能力や問題解決能力の習得
・組織運営や企業戦略策定スキルの向上
リーダー候補は経営や組織運営、マネジメント力を高める育成を中心にすると良いでしょう。
中間管理職の育成の場合
中間管理職の育成では下記の様な目的で育成を行うと良いでしょう。
・課題解決のための分析力と解決能力の習得
・部下のマネジメントスキルやリーダーシップの取得
・リスク管理やスケジュール調整能力の向上
・ストレス管理やメンタルケアの学習
・信頼関係の構築力やコーチングスキルの取得
管理職は主に指導力やマネジメント能力、部下の管理スキル習得が目的となります。また、業務が多忙であるため自己のストレス管理やメンタルケアに関するスキルなども効果的です。
グローバル人材の育成の場合
グローバル人材の育成においては、下記の様な目的で育成を行うと良いでしょう。
・外国語でのコミュニケーション能力の向上
・日本文化や歴史に関する知識の習得
・リーダーシップやコミュニケーション能力の取得
・異文化に対する理解力や協調性、柔軟性を磨く
・主体性を持って取り組む能力の獲得
外国の多様な価値観や言語、文化に関する理解はもちろん、主体性を持って取り組む力も学ぶのがおすすめです。
人材育成の目的を達成するためのポイントとは？
人材育成には様々な目的があることが分かりました。では、目的を達成するためには具体的にどのようなポイントや注意点、取り組みなどが必要なのでしょうか？主には下記の様なポイントがあります。
ポイント（１）人材育成の目的を明確にする
人材育成では目的を明確にすることが大事です。何のために行っているのかが明確でないと、育成のモチベーションも続きません。
また、様々な研修や指導を行えば良いというわけではありません。費用対効果を上げるためにも、目的を絞り効果的なものに限定しましょう。
ポイント（２）目標を明確にする
目的を決めましたら、それを達成するために明確な目標を立てます。営業であれば一日の訪問件数や電話回数など、具体的な数字や期限なども定めて、明確に日々の行動目標を計画するのが良いでしょう。
また、１ヵ月単位や半期単位のスパンでも目標を定めれば、目標管理や進捗把握ができるメリットもあるためおすすめです。
ポイント（３）人事評価を整備する
目的達成のためには人事評価の整備も非常に重要です。人材育成の研修を受けて目的を達成したにも関わらず、適正な評価を得られないとモチベーションも上がりません。
また、育成を行う上司に対しても、正当な評価を行う必要があります。継続的に人材育成を行うためにも、社員の取り組みを評価し、意欲的になれるような環境を準備しましょう。
ポイント（４）組織全体で人材育成に取り組む
人材育成の目的達成には、組織全体で育成に取り組むことも大切です。育成担当者のみに部下の指導やマネジメントを任せることは、負担も大きく育成の継続が困難になります。
また、部署間や役職などによって育成への温度差があると、育成のための協力体制の構築や準備ができず目的達成ができません。組織全体として育成に取り組めるよう、意識改革も行いましょう。
人材育成は目的を明確にした上で、成功のポイントをおさえて取り組みましょう！
以上、人材育成の目的や成功のためのポイント、社員ごとに異なる育成目的についても確認しました。人材育成では目的を明確にすることはもちろん、個々の社員の立場や性格などから最適な育成を行うことが大切です。また、育成のための準備や体制を築くことも成功のポイントです。
この記事を書いたライター
