1on1ミーティングで部下に必要な準備とは?効果を高めるためのコツ
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う対話のことです。一般的な人事評価面談とは違い、上司が部下の悩みや現状に寄り添いつつ、部下の能力をひきだすために設けられます。
最低でも、月1回の実施が目標とされており、部下が1on1を今後の仕事に生かそうと思えることが第一のゴールです。
この記事では、部下側にとっての1on1の事前準備、進める際のポイント、効果を高めるコツについて解説していきます。
1on1を有意義にするためのチェックポイント
1on1を有意義に進めるためには、もちろん事前準備は欠かせません。そして、1on1を実施する目的を明確にする必要があります。
1on1において何をどう準備すればいいのか、話題やテーマは何にすべきかを紹介します。
1on1の目的を確認
1on1は部下のための時間であり、部下が主役です。部下の行動と学習を促進し、仕事のモチベーションアップを図るために行われます。
上司・部下ともに、1on1を実施する目的を共有する必要があります。共有されていない場合は、連絡ノートや社内メールなどを通じての情報共有をしていくことが大切です。もしくは、躊躇せずに部下から1on1の目的を上司に確認する姿勢を持つのも、1on1をスムーズに進めるきっかけとなります。
上司と部下のどちらかが一方的に進めるのではなく、一緒に考えて行動することが1on1の効果を高めます。
1on1の話題・テーマ
1on1は、単なる雑談や案件の確認のための時間ではありません。1on1は、部下の成長促進が目的であり、上司は基本的に部下の話を傾聴する姿勢が大切です。部下側が話しやすい環境にするためには、事前に1on1で扱う話題やテーマを決めておく必要があります。
1on1ミーティングの中で抑えるべきテーマは、主に下記の3点です。
・部下の仕事についての現状や悩み
・職場環境について考えていること
・部下のキャリアプラン
上記のように、現在どのような仕事をしており、悩みや困りごとがあるのかを洗い出し、解決案を共に考えていきます。
また、職場の人間関係や設備のトラブルなど、改善策を具体的に話し合っていくほか、部下が中長期的に見据えているキャリアを具体的に話すこともおすすめです。
能動的な姿勢
1on1では、能動的な姿勢を持つことで効果を最大限に引き出せます。部下側は、普段仕事をしていく上でなかなか言えなかった問題や現状を、1on1で上司に伝えて話し合っていきましょう。
部下自身では見いだせなかった打開策を、1on1で発見できる可能性があります。もし、うまく上司に伝えられる自信が無い場合、事前に問題点や自分の悩みをメモに書き出しておけばスムーズに進めることが可能です。
メモを用意しておけば、1on1で話したことを追記できるので便利です。そして、業務で困った際にメモを読み返せるというメリットもあります。
1on1は事前準備をする
1on1に取り組むためには、事前準備が必要不可欠です。主な事前準備は以下の3つです。
・1on1の目的の共有
・話題やテーマを決める
・ボイスレコーダーやメモの準備
まずは、1on1の目的を共有していきましょう。「何のために1on1を実施するか」を共有することで、限られた時間の中で問題にピンポイントでアプローチできます。
続いて、話題やテーマを決めていきます。事前に話題やテーマを決めることで現状の問題点を洗い出し、スムーズに進めることが可能です。
最後に、ボイスレコーダーや議事録の準備です。ミーティングの内容を忘れないために記録に残しておくと良いでしょう。ボイスレコーダーがあれば何度でも内容を確認できるためおすすめです。
自分のことを知ってもらう
1on1は、上司と部下の信頼関係を深めることが最大の目的です。一方的に上司からの意見を聞いているだけではなく、部下側が自らを発信していき、成長につなげることに意味があります。
1on1にて、お互いに知らなかったことを共有し、今後の仕事につなげていくことが大事です。部下は上司に「こういうことを知ってほしい」「この問題の解決策はどうするか」など、1on1で積極的に投げかけていきましょう。上司からの率直な意見が返ってくるはずです。信頼関係を築くことで、仕事の進行がより円滑になり、企業全体の成長が可能です。
また、1on1の回数を重ねることで、これからのキャリアアップにも役立つ可能性もあります。将来のビジョンを上司に相談することで、より具体的なアドバイスをもらえれば、仕事のモチベーション向上にもなるでしょう。
1on1ミーティングの感想、フィードバックを行う
1on1を終えたら、ミーティングの感想・フィードバックを共有します。部下は、上司からのアドバイスを真摯に受け止める姿勢が大切です。厳しい意見を言われることがあっても、それに対して自分なりにどうアクションを起こすべきかを考えていきましょう。
部下が抱えている問題は、1on1の場で即座に解決する必要はありません。上司と部下が協力して、これからも考えていくことが大切です。継続的な1on1と振り返り、実践を繰り返せば、上司と部下両者の成長にもつながります。1on1を通して見えた課題に対して、解決策があれば実践していきます。
それでも上手くいかない場合は、改めて上司に相談を持ちかけるなどの行動によって、信頼関係を深められるでしょう。
まとめ
1on1ミーティングは、上司と部下の表面的に取り繕った会話ではなく、透明性の高い正直なコミュニケーションに意味があります。
部下側は抱えている問題や悩み、ニーズを率直に上司と話し合うことで、風通しの良い職場環境の構築が可能です。お互いの信頼関係を深め、コミュニケーションの円滑化を図れます。
部下は、上司と面と向かって話すことで様々な課題が見えてきます。一つひとつの課題に真剣に向き合い、社会人としてステップアップしていきましょう。