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「1on1で話すこと」部下の成長を助けるための話し方と話題の見つけ方

「1on1で話すこと」部下の成長を助けるための話し方と話題の見つけ方

「毎日のように、部下と面談し指示を与えているが、あまり良い実績を出せない…」
「部下と具体的にどのように話せばいいのだろうか…」

このように悩んでいませんか?部下の心理を理解し、成長を促しつつ信頼関係を大きく構築できる方法があり、その方法を「1on1」と言います。

1on1は近年、社員を成長させる方法として多くの企業が導入しています。本日は「1on1」について解説します。また、1on1の実践ポイント、話し方の具体例についてもお話しします。

1on1で話すこととは?

1on1とは、上司と部下が1対1で行う面談を言い、1on1を通し、上司は部下の心理状況、悩み、将来的ビジョンを理解し定期的な対話から気づきを与え、部下の成長をサポートします。

一般的な面談と違い、部下に指示を与える一方方向のコミュニケーションではなく「対話型コミュニケーション」というのが1on1の特徴と言えます。

1on1の目的から考える

1on1の目的は部下の成長支援とエンゲージメント向上が主な目的であるため、部下の話が主体となります。

しかし、社内面談等は、上司が部下の問題点を見つけ、改善策を指示することがほとんどです。このような面談は上司が一方的に部下に対して話すため、部下が思うこと、感じることを伝えるタイミングがありませんので、部下の成長を妨げる可能性があるのです。

部下が成長するには、部下自ら問題点を解決し、成果を挙げたい、成功したいという意志が必要です。1on1の実践で上司は話すことを抑え、部下の自発的な発言を尊重する対話が重要なのです。

部下を深く理解するためと捉える

1on1導入の狙いは部下を深く理解し、高い信頼関係を築くことにあります。上司は部下の悩みや問題を分析し、隠れた才能とやる気を引き出すことが大切なのです。

▼部下を深く理解するための対話内容
・上司への要望や把握しておいてもらいたいこと
・仕事の悩み
・プライベートの悩み
・社内での人間関係やコミュニケーションの問題
・事業戦略に対する疑問、意見

上記の対話を中心に、上司は部下の顕在・潜在に抱える悩みを引き出すために、良き理解者であることを認識し、部下とともに問題解決へ向けた対話を心がけます。

1on1での対話は指示や指導を与えるものではなく、部下を深く理解するための方法と捉えましょう。

1on1で話すことの分類

部下は立場上、上司に本音を言いにくいため、1on1では、部下が話しやすい環境を作ることが大切です。

具体的に1on1で話すことは大きく分けると7つに分類され、分類された話の内容を精査し部下の成長支援を行っていきます。

相互理解

1on1の主軸は部下との心のつながりや絆を作りだすための「相互理解」にあります。相互理解のためには、部下の話を聞くだけではなく、上司自らをさらけ出すことで共通点を見つけられ、互いの距離感を縮められます。

▼相互理解を深める話題
・休日の過ごし方
・趣味
・家族や友人の話
・失敗談、成功談

生活・仕事を含めプライベートな話題から、お互いが知りえる情報や共通点を見つけ、価値観の共有や情報共有により相互理解が深まります。上司と部下との対話では、部下が話しやすい環境を作るために、上司自ら話す必要があります。

「自分はこうだったけど、君はどうだった?」などのように、話しを振ると部下は返事を返しやすくなるわけですね。1on1での対話は相互理解する所から始めましょう。

心身の状態

仕事や生活には「心」と「体」の健康状態が大きく影響します。日本人は我慢強いためストレスをため込みやすい人が多いことから心や体を病むケースがあり、特に仕事上の問題やトラブルを抱え、誰にも悩みを言えず退職してしまうことも考えられます。

1on1では、部下の心の悩み、健康状態を客観的に観察し、部下との対話の中で現在の状況をしっかり確認する必要があります。また、部下の心の負担を軽くしてあげるのも重要です。

モチベーション

モチベーションは仕事や人生を良い状態に保つため絶対的に必要な要素と言えます。モチベーション低下は様々な点で悪影響を及ぼしますので、上司は部下のモチベーチョン低下の要因や上げる要因を、1on1を通し、常時確認する必要性があります。

また、直近であったモチベーション低下の有無について確認し、影響が出る前に原因を取り除く解決策を提案し、マイナス部分よりプラス部分を延ばせるポジティブ思考での対話を心がけましょう。

業務、組織の課題

部下の業務状況を確認するのが上司の仕事ですが、多くの方が仕事の「結果」だけを重要視していることでしょう。しかし、部下は業務上の課題・問題や仕事の適正問題を抱え仕事をしており、仕事の結果より過程や状況を見てもらいたいとも考えているのです。

上司は部下が最高の結果を出せるよう、業務方法、組織編成(チーム等)に問題はないか、適材適所の人材配置ができているのか、部下の仕事を俯瞰しながら組織課題を確認することが大切です。

目標や評価

会社組織に属している人であれば、将来の目標を持ち業務を遂行していることでしょう。しかし、部下の中には目標が見えず、自分の現状の立ち位置や自己評価がわからず、成長がストップしている人もいます。

上司は部下へ将来の目標や現状の評価について尋ね、部下に気づきを与えつつ、不透明な部分を補完し、部下が自ら目標設定し達成できるように導く必要があります。

1on1は部下の目標設定に対し、気づきを与えてあげられる大きな効果があるのです。

キャリア支援

1on1で部下に聞いておきたいポイントの一つとして「中・長期キャリア支援」があります。今後、どのようなキャリアを積みたいのか、また、叶えるためにはどうしたら良いのかを話し合ってみます。

キャリアや目標を考えず、漠然と仕事をしている部下に今後のキャリアを考えるきっかけを与えることで、部下のモチベーションがアップします。

また業務への取り組みへの向上を促すことが可能になり、会社全体への利益にもつながります

戦略や方針

上司より与えられた仕事だけを、黙々とこなすことは単なる作業になり、部下は達成感や喜びを感じにくくなります。

しかし、会社や部署ごとの方針や戦略をわかりやすく伝えることで、部下は単なる作業をするだけではなく、自分のポジションを理解し役割を果たすための「責任感」が生まれます。

会社・部署全体で成果が出た時は、自分が一翼を担った自負と喜びに生きがいを感じ、仕事に対しての取り組みが大幅に向上すると言えるでしょう。

1on1をする時に意識すること

1on1をする時に意識することは部下との意思疎通を図り、深いつながりを持つことで信頼を得た上で、部下の顕在・潜在にある悩みや課題を引き出し、部下、自ら問題解決できるよう導く対話で臨むことです。

話を聞くだけでなく自己開示をする

1on1の対話は部下の抱える問題や将来的なビジョンを聞き、それぞれ最良の道へと導く方法ですが、部下から話を引き出す際、重要なのは上司が自己開示することです。

一般的に部下は上司に対し畏敬の念を持ち接していることが多いため、本音は語らず、表面上の会話になってしまいます。仕事上の信頼感は持っていても、心を許す存在だとは思っていないのです。

しかし、上司が自分の家族・趣味など自己開示することで部下は親近感を持ち、心を開くようになります。部下の話を聞くことは重要ですが、まずは部下の心を開き信頼を得るための自己開示が大切なのです。

部下の成長のための対話を心がける

上司、部下における社内面談は業務の改善方法、業務の進め方など上司からの一方的な会話で終始します。上司から伝えるだけなら、それは面談ではなく単なる「指示」になりますので、業務は改善しても、部下の成長にはつながりません。

上司が一方的に解決方法を指示すれば、また同じ問題に直面しても部下が自分自身で解決できません。部下が現在抱える問題や、業務改善などの悩みは部下が自ら解決することが大切なのです。

上司が解決方法を知っていたとしても、対話により部下に考えさせ自ら答えにたどり着けるよう促すことが大切なのです。

業務を自分ごと化できるように導く

会社員は組織の中で仕事をしているため、部署ごとの合同プロジェクトなどにも参加することがあります。業務へのモチベーションが低く責任感意識が低い場合、担当している仕事がどこか他人事であり、問題が発生しても他人任せにしてしまう人がいます。

上司は部下に対し業務を「自分ごと化」できるように導く必要があり、部下自身が受け持つ業務の遂行により目標達成、キャリアアップにつながることを説きます。

自分ごと化を説くことで、部下は業務遂行の大切さ、現在の仕事が自分の人生にとっても重要なことと捉えることができるようになるのです。

オープンクエッション

部下との会話の中で、答えに制限を持たせない質問を「オープンクエスチョン」と言います。一般的な上司と部下の会話で、部下は答える内容により自身の評価が落ちることを恐れ、忖度や遠慮が生じます。

部下との信頼関係構築や問題解決への導きを実現するには1on1で行うオープンクエスチョンの対話が必要になるのです。オープンクエスチョンは「はい」「いいえ」の選択肢を持たせず、部下が自由に答えられる質問をします。

例1)休日は何をしていますか?
例2)なぜ、そう思いますか?

など、部下が自由回答できるオープンクエスチョンを取り入れてみましょう。

1on1での話すこと具体例

1on1では会話ごとのテーマを決め、まずは順序に従い対話を進めます。

▼1on1テーマの流れ
・プライベートな内容
・心身の状態の確認
・モチベーションに繋がる内容
・業務や組織課題にアプローチする内容
・部下の成長に繋がる内容(目標・キャリア)
・戦略の共有

対話の流れでランダムに順序を入れ替え実践してみましょう。

プライベートな内容

プライベートの内容では、部下の価値観や性格を把握するための会話になります。

▼会話具体例

「この間の休日はどこかに出かけられた?」
「休みの日は何をしている?」
「最近、うれしいことはあった?」

部下のプライベートな行動範囲から解放的・閉鎖的などの性格を把握でき、休日の過ごし方から時間の使い方、趣味から価値観が推測できます。

また。うれしかったことに関しては何に対して喜びや充実感を感じられるのかを把握できます。

心身の状態の確認

心身の状態を確認することは部下も、自分を気にかけてくれているという意識に繋がるため、何か悩みごとがあった場合、上司に相談しやすい関係性を築くことができます。

▼会話具体例
「最近、ちゃんと休めている?」
「睡眠時間は足りている?」
「休みの日、家で仕事するようなことない?」

心身の状態により、部下の気が乗らない場合、上司が自分の状況を開示し会話しやすい状態を作るのも一つの方法です。

モチベーションに繋がる内容

モチベーションアップのための対話種類は「マイナス面の最小化」と「プラス面の最大化」の2つがあります。

▼マイナス面の最小化:モチベーション低下の要因を取り除く会話例
「会社や業務で気になることはない?」
「不安に思っていることはない?」

▼プラス面の最大化:モチベーションアップの要因を高める会話例
「最近、仕事が調子良さそうだね」
「社内の評判が高くなっているよ、〇〇(お客様)様も褒めていたよ」

部下が抱えている悩みを共有し、解決すればモチベーションアップに繋がります。

業務や組織の課題にアプローチする内容

現在、携わる業務や組織課題に関しては「業務改善」「組織改善」について会話します。

▼業務改善の会話例
「今の業務で何か問題点はない?」
「業務への個人的な要望や意見はない?」

▼組織改善の会話例
「会社や現組織の課題は何だと思う?」
「社内の人間関係に問題はない?」

日常では、なかなか言えない会社内での業務改善や人間関係をオープンクエスチョンで対話することで、ストレスやモチベーション低下が軽減されます。

部下の成長に繋がる内容(目標、キャリア)

業務を通し、部下が漠然と考えている目標やキャリアに対して気づきを与え、部下自身が考えるきっかけを作ってあげます。

▼会話例
「自分の強み・弱みは何だと思う?」
「将来、チャレンジしたい仕事はある?」
「取得したい資格はある?」

部下が、具体的な目標や目指すキャリアが無い場合、現在、興味を持っていることや継続していこうと思っていることを聞き出し、部下のキャリアアップをサポートします。

戦略の共有

1on1では、経営陣の戦略や方針を部下に伝え情報を共有し、会社運営の一翼を担っていること、自分の立ち位置や役割を認識してもらうことで、上下関係をスムーズにつないでいきます。

▼会話例
「経営会議で、このように決定したけど何か感じるものはある?」
「上層部の会議で営業戦略の方針が出たけど、どう思う?」

運営側との戦略の共有で会社の上下関係を透明にし、部下が意見を言いやすい環境を作ることで、業務への達成意欲や責任感も生まれます。

部下が「話すことがない」と思ってしまう理由

部下が話すことがないと思ってしまう理由は「信頼関係」が構築できていないことが原因です。1on1で上司と部下が気兼ねなく意見を言えるのは相互の信頼関係ができていることが前提なのです。

何を話していいかわからない

部下が「何を話していいかわからない」状態に陥っているのは、上司の質問の意図や内容が理解できず混乱しているからです。

例えば、上司と部下の信頼関係を構築していない状態で、気兼ねなく何でも話して欲しいと言っても、部下は質問の意図がわからず口を閉ざしてしまうでしょう。

1on1では、エンゲージメントの向上を目指すことが目的なため、詰問のような形の質問だと、部下は何を答えていいのか、話していいのかわからなくなります。

部下との会話を始める前に、質問内容を見直し、関係性の状況を見ながら1on1を進める必要性があるのです。

話したいことはあるが、ここで話してもいいのか迷っている

上司と部下の関係は一般的に「壁」が存在し、上下関係により自由な意見交換ができません。1on1での会話で部下にオープンクエスチョンスタイルで遠慮なく話して欲しいと言っても、信頼関係が十分でないと本心は言えないものです。

「上司にこんなこと言ってもいいのか?」
「変なこと言って査定に響いたら嫌だ」
「上司の機嫌を損ねることは言えない」

このように感じていることが多いでしょうから、部下から本音を引き出すには、上下関係を保ちながら部下が忌憚なく発言できるような、適切な信頼関係作りを意識しましょう。

1on1を軽視しないことが大切

1on1は単なる会話で、社内面談で十分では?と思うかもしれません。しかし、部下を育成し支援するには社内面談では不十分なのです。

1on1導入初期はなにかと面倒という意識が働くでしょう。しかし、1on1で得られる効果は会社全体の成果にもつながりますので、軽視しないことが大切です。

1on1をスキップすると信頼度の低下に繋がる

1on1を日常業務に組み込むことで、仕事量は増えるでしょう。部下を多く持つ人であれば他業務の忙しさから1on1のスキップを考えるかもしれません。

しかし、1on1をスキップされた部下は「自分との1on1を軽くみられている」と感じ、信頼低下へと繋がります。上司にとって、多くの部下の一人と考えるかもしれませんが、部下にとって一人しかいない上司との大切な時間と捉えているのです。

上司は部下の成長をサポートする義務があり、勤めであることを強く意識し、部下との1on1を決して疎かにしないよう部下との対話の大切さを心に刻みましょう。

部下の育成に必要なこととしてやりきる

1on1は回数を決めて実行する業務ではなく、それぞれの部下の成長度合いに合わせ、育成に必要なこととしてやり続けることが大切です。

例えば部下一人に対し1on1を行ってきて、ある程度まで信頼度が深まり、成長した段階で打ち切ると部下は「見捨てられた」「相談できる人がいなくなった」と感じてしまうものです。

部下が大きく成長し、もう上司の存在は必要がないか対話の中で判断し、相互納得できるまでやりきることが、上司としての役割と責任なのです。

まとめ

1on1は上司が部下を深く理解し、互いの信頼関係を築きながら部下の成長をサポートする対話であり、従来の人事面談とは異なります。

1on1で上司はコミュニケーションスキルを求められるため、会話が苦手な人は1on1の導入を躊躇するでしょう。しかし、テーマに沿って進めていけば対話も苦ではなくなるはずです。

部下の育成は上司にとって重要な仕事でもありますので、ぜひ、1on1を導入し部下を大きく成長させるツールとして活用してみてくださいね。

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